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霊能力と超能力4

中村天風はなぜ治癒したか?

 

中村天風はネパールのヒマラヤの山麓までカリアッパ師についてゆきます。

師が病気が治ると言ったので、その言葉を信じたのでした。世界中の医者に治らないと言われたので、どうせ死ぬのなら何をやっても同じだと思っていたのかもしれません。

 

ところが、ネパールの小村にたどり着くと、カリアッパ師は病気治しの指示は何もしませんでした。ただ自分についてこいと言われて山道を長い時間歩き、滝場につくとそこに座っていろと言う、ただそれだけのことでした。

話が違うと思った中村がさまざまな質問をしても何も教えてはくれませんでした。自分で悟れということだったのでしょう。

 

中村が滝場で座っていたのはヨガの行だったのです。

今日でこそ、中村天風は日本初のヨガ行者だという本が出ていますが、私が中村の本を読み始めた頃はそのような本はありませんでしたし、中村自身も自著でそのようなことは書いていませんので、私は中村がヨガの行者だったことを長い間知りませんでした。

 

中村がヨガの行者だったことを知った時、ヨガの行と中村の霊能力が関係があるとは全く気が付きませんでした。

ヨガは日本では健康体操や美容体操のように思われていますが、本格的に行をすると、自ずから霊能力や超能力が発現するのです。しかし本格的に長い間取り組まないと生じてきません。

 

中村に転機が訪れたのは、何年ものちのことでした。ある時、滝場に座っていると、耳を圧するような滝場の水の落下の轟音も、周囲の虫のかまびすしい音も風の音もすべてが聞こえなくなったのです。

頭の中が空白になったというか真空になったわけです。

ここから中村の体は自然に治癒し始めました。

 

私は長い間、これが不思議でなりませんでした。中村はなぜ不治の病が治ったのだろ?

中村が周囲の音がすべて聞こえなくなったのは、無になれたからです。意識も感覚も働かなくなってしまったのです。これは禅が目指している境地です。

無になると外部の力が入ってきます。

また心が病と身体を忘れてしまいます。中村は病を得えてから病のことが片時も頭を離れませんでした。その心が肉体に囚われた状態から解放されたのです。すると治癒力が働き始めたのでしょう。

 

カリアッパ師はこのことが分かっていたので、言葉で説明するのではなく、実行だけさせたのでしょう。病にとって考えることは役に立たないのです。これは病は気にしすぎると治らないということでもあります。

 

中村に霊能力が出始めたのはそれからだったと私は思っています。

 

霊能力と超能力の世界は不思議な話がたくさんあります。